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佐野元春&THE COYOTE BAND ライブレポート
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佐野元春&THE COYOTE BAND ライブレポート

永遠のティーンエイジ・ロッカーが魅せる、進化するロックサウンド

つまらない大人にはなりたくない。1980年、デビュー二作目のシングル「ガラスのジェネレーション」で、佐野元春はそう言い放った。まだ子供だった自分に、このワードは鮮烈で、軽快なビートにのせられたメッセージをこれまで数十年忘れることはなかった。以降、佐野は自身が影響を受けてきた音楽をベースに、常に革新的な音楽を世に送り続けている。
人間は慣れる生き物だ。その慣れは熟練を生むが新しさにはめっぽう弱い。しかし佐野はデビュー40周年迎えようとしている今、「新・佐野元春宣言」を掲げさらなる進化を続けようとしている。その姿は新しさを楽しむティーンエイジャーそのものだ。

果たして自分は“つまらない大人”になったのだろうか。その答えを確かめるべく福岡・イムズホールで行われた「禅BEAT2018」ライブへ足を運んだ。
キャパ1000未満の小さな会場でのライブは、間近で彼らの音楽に触れられるプレミアムな空間だ。会場に集まった観客は、往年の佐野元春ファンからティーンエイジャーまでさまざま。楽しむ準備はできている、とソワソワしている姿に、彼が届け続けた音楽が血肉となっていることを実感せずにはいられない。

ライブが始まりステージに登場した佐野の「楽しい夜にしよう!」一言で、会場が一気にヒートアップ。今回のライブは佐野元春&THE COYOTE BANDでリリースした4枚のアルバムをメインに構成されている。彼らにしか成し得ない「禅ビート」というロックが、二次元の音源から飛び出し、立体的で奥行きを持った体感する「禅ビート」として眼前に現れる。ライブのスタートというのは、それを実感する鳥肌が立つ瞬間なのだ。もちろん、佐野もコヨーテ・バンドのメンバーもゴキゲンだ。楽しませるためには、まず自分たちが楽しむことだということをスタートダッシュで見せてくる。ここで相思相愛になったら、あとは飛び込んで純粋に音楽を浴びて楽しむしかない。会場には会社帰りであろうスーツ姿の男性ファンも多かった。そんなオールド・ファンさえも、ティーンエイジの心に引き戻してくれる圧倒的な音楽の力を感じずにはいられなかった。

今回のライブではEDM的音楽にロックビートを重ねるなど、新しいロックンロールを見せてくれる場面があった。前段にも触れたとおり、佐野の音楽はこれまで常に進化し続けてきた。興味の赴くままに音楽を追求し、取り入れ、唯一無二の音を作り出す。それらが全てこの「禅ビート」に繋がっているのだろう。曲を重ねるごとに、メンバーもファンも高揚を帯びていく。会場中が濃密なロックンロールで満たされていく瞬間を感じられるのはなんと幸せなことだろう。

印象的だったのは後半、「新しい世代が僕らの音楽を聴いてくれていることがうれしい」と語り、さらに「ロックンロールは虹のようだと思っている。世代を繋ぐ虹」と彼らのこれからの音楽性を示唆するようなMC。ヤバい。また新しいなにかを作り出そうとしているようだ。彼らの音楽についていけば、この先もワクワクすることが生まれてくる。きっとファンはそう思ったに違いない。現に、私自身がそう感じたのだから。

佐野元春&THE COYOTE BANDでリリースした楽曲に加え、懐かしく“あの頃”に戻れるナンバーまで、会場中が高揚感に満ち溢れた時間だった。
彼らの新しい音楽をワクワクしながら待ちわびてしまう。まだまだ“つまらない大人”にはなれなさそうだ。

次に来る40周年(奇しくも東京オリンピック開催年)に向けて、新たなスタートを切った佐野元春&THE COYOTE BANDと一緒にロックンロールの金メダルを目指したい。


TEXT : 筒井あや


 

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